世界の皆さん、おはようございます!
今回はドット絵職人への道 第4回ということで、色塗りについての記事になります。
前回の内容についてはこちらをご参照ください。
これまで、陰影をつけたり、輪郭線を描いたりしました。
これでドット絵の最低限の技術はもう習得できたと言ってもよさそうですが、より高度な段階に入ると、ドット絵はまだまだ奥が深いです。
今回は、色塗りについての修行です。今までは、ほぼ単色の物体を塗ってきましたが、実際にはグラデーションのように色が徐々に変わっているもの、球面に陰影があるものなど、連続的な色の変化を扱える必要があります。
このような徐々な色の変化を、ドット絵という制限の中でどのように表現するのか、ということを扱っていきます。
今日のメニューです。
グラデーションを作ろう
色が徐々に変化する様子を表したいときは、グラデーションを意識しないといけません。身の回りのもので、色がグラデーションになっているものは一見それほど多くはないかもしれません。しかし、実はほぼ全ての物体にはグラデーションが存在します。それは、光と影です。第1回でリンゴの明暗を段階的に表現したように、物体そのものはほぼ単色でも、光と影によってモノにはグラデーションが起こります。
光と影の他にも、自然界のモノはグラデーションがよく入っています。例えば青空や夕焼け空は綺麗なグラデーションになっています。また、大根は緑と白のグラデーションが綺麗に入っています。
このような徐々に変化する色を表現したいとき、ドット絵ならどうするでしょうか。
簡単なのは、たくさん色を用意することです。先ほどの青空を、8色使ってグラデーションまで表現してみました。
確かにグラデーションは表現できていますが、なんだか横に縞々ですね。実際の青空は、こんなふうに横向きの縞模様にはなっていません。
大根も同じで、普通にグラデーションで表現するとこのようになってしまいます。
なんだかたけのこみたいというか…模様のようになってしまっていますね。
これを回避する方法として、色の変化する幅を交互に詰めるという方法があります。青空や大根は本当は徐々に色が変化しているのですが、これを境界で急に変化するように描くのです。
使っている色の数は、ほとんど変えていません(青空については1色だけ減らしています)。使っている色を増やしたわけではないのに、幅の配分を変えることで多少は自然になりますね。幅が等間隔だと、縞模様かのように認識してしまうようです。
次に、タイルパターンを用いて、さらに使用する色を減らし、柔らかくグラデーションを表現してみます。
タイルパターンは、本物のタイルのように異なる色を敷き並べることで、2つの色の中間のような色を表現するものです。ドット絵のように使える色が限られていても、使っている色の数以上の色を表現できるようにできるのが、このタイルパターンのすごいところです。
青空は、最初は8色だったのがたったの3色、大根も最初は5色だったのが3色になりました。しかし、最初に作ったグラデーションよりも自然に見えます。2つの色の接続部分でタイルパターンを用いることで、滑らかに変化しているように感じますね。
大根は、明暗と葉っぱ部分も追加して、完成させておきます。
今回は色自体のグラデーションを表現しましたが、曲面の陰影を表現するときもグラデーションを使うことができます。
例えばこんな円柱に影をつけるとします。
右に光源があるとすれば、左ほど徐々に暗くなるはずです。そこで、右から少しずつ暗い色を塗ると、次のようになります。
これでは、面が角張った柱に見えます。ちなみに、この前散歩していたら、偶然イメージ通りの柱に出会いました。
今回描きたいのは丸まった柱です。そのような時は、影を少しズラして書いてみます。
こうすると、角張った柱に見えなくなります。
また、グラデは必ずしもタイルパターンだけで表現するわけではありません。
次の青空の絵は、たったの2色でグラデを表現しています。
この青空の絵では、グラデ部分の色の構成比を少しずつ変化させることでグラデを表現しています。
今の時代では、そこまで使用する色を抑える必要はないとは思いますが、このような技術も知っておくと役立つ時があるのではないでしょうか。
モアレに気をつけよう
モアレとは、グラデやジャギ消しによって、本来無いはずの模様があるかのように見える現象です。
例えば、青空や大根を最初に書いたときにできた縞模様もモアレの1種です。グラデを表現したことによって、存在しないはずの縞模様が現れてしまいました。
モアレは、斜め方向のグラデでも現れます。例えば懐かしいリンゴを例に、影をグラデで描いてみます。
影の配置が規則的すぎて、なんだか模様みたいになってしまっています。どうやら、人は規則性を見つけてしまうと、それを模様として判断してしまうみたいです。
モアレを解消するためには、等間隔で規則的な感じを緩和して、不規則にします。青空や大根も、グラデの間隔を詰めて不規則にすれば、タイルパターンを使わなくてもモアレは解消されました。
リンゴもこんな感じで、規則的だった部分に若干不規則性を交えることで、モアレが解消されます。
まとめ
今回は、グラデについて扱いました。
- 規則性を無くしてモアレを避ける
- タイルパターンを使ってみる
以上が今回の内容になります。
まだまだドット絵は勉強中の私ですが、あと2記事くらいでドット絵の基礎編は終わりな気がします。基礎編が終わったら、実践編としてやっと本格的にドット絵を描き始めるので、先は長いですが…頑張っていきましょう!