世界の皆さん、おはようございます!
今回はドット絵職人への道 第3回ということで、前回に続いて輪郭についての記事になります。
*この記事は、ドット絵勉強中の筆者が書いた入門記事です。知識や技術が不足した内容もあるかと思いますが、ご了承ください。
前回の内容についてはこちらをご参照ください。
前回は、初級編として輪郭線を扱いましたが、今回は中級編ということで、前回よりもより高度な内容について触れていきたいと思います。
それでは本日のメニューです。
画像を読み込もう
今回は、フリー素材のピーマンを描いていきたいと思います。
キャンバスサイズは、少しグレードアップして 64×64 で描いてみましょう。
64 x 64 にもなると、読み込んだだけで写真に近いものが出来上がります。ただこれではただのモザイク写真ですので、ドット絵の味を出すためにも一旦ベタ塗りして、明暗も加えてしまいましょう。
ドット絵風のかわいいピーマンができました。これで事前準備は完了です。
線を規則的に描こう
先ほど描いたピーマンですが、輪郭線があまり綺麗に描かれていません。例えば、右上の丸い部分を見てみましょう。
丸みを帯びている部分が、不規則な曲がり方によって汚く見えてしまっています。
直線や曲線は、規則性を持って作ることで、ガタガタせず綺麗に見えるようになります。
例えば直線を、不規則な場合と規則性がある場合で比較してみましょう。
右は、2、1、2、1、、、と等間隔で線が曲がっているため、綺麗に見えます。
ただし、とは言っても1、1、1、、、や2、2、2、、、と並んでいる直線と比べると、ガタガタしているように見えます。これの解決方法については次の項目で説明します。
丸についても同様です。左が不規則、右が規則的です。
右は、4、3、2、1、1、1、2、3、4と規則的に並んでいるため、綺麗な曲線に見えます。
それではピーマンも規則性を持たせてみます。先ほどの部分は、3、2、3、2、1、1、2、1、2、1、、、となっていました。そこで、3、3、2、2、1、1、1、2、2、2、、、に変更してみます。
このような規則性を持たせて線を作ると綺麗に見えますね!
ジャギ消しをしよう
規則性を持たせてある程度綺麗になった輪郭線ですが、それでもドットでギザギザした形になっています。これはドット絵の性質上仕方がないことですし、ドット絵の良さでもあります。
しかし、輪郭線のギザギザ(ジャギー)を解消したいシーンはあるでしょう。そのような時は、ジャギ消しを使います。
*ジャギ消しは、アンチエイリアスとも言います。
例えば、ここの部分のジャギーを解消してみましょう。
ジャギ消しは、領域と領域の境界部分に用います。今回で言うと、輪郭線と背景、もしくは輪郭線と中身との境界です。このような境界の部分に、基本的に領域同士の中間色を用いてジャギ消しを行います。
例えば、輪郭線は黒、背景は白ですから、外側のジャギ消しには中間色のグレーを用います。試しに塗ってみると、このようになります。
同様に内側は、輪郭線は黒、中身は緑ですから、内側のジャギ消しには中間色の暗い緑を用います。
ジャギ消しを行う前と比べて、輪郭線が滑らかに曲がっているように見えませんか?特に引き目で見ると分かりやすいかもしれません。
このように、ジャギ消しでドット絵に特有のギザギザ感を緩和することができます。
これは曲がっている部分ではなく、直線に対しても有効です。ピーマンの左側面にもジャギ消しがされています。試しに、規則性で例に出した直線について、ジャギ消しの前後を見比べてみてください。
規則性があるとはいえガタガタ感があったものが、ジャギ消しによっていくらか真っ直ぐ引かれているように見えますね!
ジャギ消しは輪郭線だけに適用されるものではありません。例えば、明暗の境界を滑らかにするためにも使われます。ピーマンのテカリ部分や影の部分の境界を、滑らかにしてみます。
ジャギ消しをしなかった時と比較して、輪郭や陰影が滑らかなドット絵が出来ましたね!今回のピーマンはこれでほとんど完成です!
ジャギ消しを行うことで、ギザギザ感がなくなり、ドット絵の表現力も広がります。これからドット絵職人になる上では欠かせない高度な技術なのは、間違い無いでしょう。
ただし、ジャギ消しには気をつけた方がいいことが2つあります。
1つ目は、ジャギ消しを多用しすぎないことです。ジャギ消しにも段階があって、やろうと思えばもっとたくさんの中間色を使って、広い部分に適用することができます。
しかし、やりすぎるとぼんやりした絵になってしまい、ドット絵特有の良さも失われ、混雑した絵になってしまいます。また、キャンバスサイズが小さい絵で無理にジャギ消しすると、妙に目立ってしまうことが多いです。今回、キャンバスサイズを 64 x 64 にしたのは、ジャギ消しの効果を実感するためです。
2つ目は、ゲームなどに用いる際に関係することなのですが、背景色が変化する絵の場合は外側のジャギ消しをしない方がいいです。ゲームでは、キャラクターが色々な場所を歩くとき、背景色が明るい草の色のことのあれば、暗い洞窟の色のこともあるでしょう。先ほど、ジャギ消しは中間色を用いると話しましたが、背景色がわからないと中間色が何かわかりません。背景色によっては、ジャギ消しが浮いてしまうことがあります。
例えば先ほどのピーマンを、紺色の背景の上に載せてみます。
この場合は、ジャギ消しに使った灰色が、輪郭線の黒と、背景の紺色の中間色になっていないため、浮いてしまっています。そのため、ゲームなどで背景が自由な場合は、外側にジャギ消しをしないのが良さそうです。
最後に、先ほどのピーマンは立体感などが若干寂しかったため、ヘタ部分の模様などと一緒に少しいじってみました。
ベタ塗りで一度消した上部の凸凹感を復活させたことで、ピーマン特有の形が表現できました。
完成したピーマンに対して、改めてジャギ消しを無くしたものを作ったので、横に並べて比べてみましょう。
ジャギ消しありの方が、かなり滑らかで立体感があるように見えます!
まとめ
今回は、輪郭線について少し発展的な内容を書きました。
- 直線や曲線は規則的にする
- 必要に応じてジャギ消しを行う
最後に、今回のピーマンの変化をアニメーションにして載せておきます。
次回は色塗りについて扱ってみたいと思います。それでは、さらば〜